神社にお参りする人の中には、鳥居について気になる人もいますよね。ほとんどの神社には鳥居がありますが、鳥居について理解している人は少ないのではないでしょうか。鳥居の理解を深めるためには、意味だけではなく歴史や起源について把握する必要があります。今回は鳥居に関する概要や歴史、起源について解説します。鳥居に興味がある人は、ぜひ参考にして下さい。

 

1.鳥居について

鳥居は神社の入り口にあることがほとんどあり、神域と人間の世界を分け隔てる門としての役割があります。日本の風景に馴染んでいることもあり意識することはあまりないかもしれませんが、神社に参拝する際、はじめに鳥居を目にすることになるので神聖さを象徴する建造物ともいえるでしょう。鳥居の材質・構造は多種多様であり、神社によって形状も異なります。鳥居の種類は細分化すると60種類以上ともいわれていますが、一般的には2種類に大別されます。

  • 神明鳥居
  • 明神鳥居

それぞれ説明します。

 

・神明鳥居

全体的に直線的な鳥居であり、2本の柱の上に真っ直ぐな横木を乗せて、柱と柱の間に木を渡して補強しています。歴史的に最も古い鳥居の構造であり、鳥居の上に乗せられた横木が反っていないのが特徴です。基本的には直線的な柱や木が組み合わさっており、装飾が施されていることはほとんどありません。

 

・明神鳥居

神明鳥居と構造は似ていますが、鳥居に乗せられた横木の両端が空に向かって反っているのが特徴です。横木の下には島木が重ねられており、曲線系の木や柱が組み合わせられて形状がほとんどです。仏教建築の影響から絢爛な装飾が施されていることが多く、豪華な様式だといえます。

 

2.鳥居の起源・歴史

鳥居の起源・歴史は諸説あり、考古学的起源についてはほとんど判明していません。起源・歴史について判明していない鳥居ですが、主要な説が2つあります。

  • 国内起源説
  • 外国起源説

それぞれ説明します。

 

・国内起源説

古事記において、天照大御神が天岩戸に隠れた際、中から誘い出すために八百万の神々が鶏を鳴かせた話が伝えられています。この鶏の止り木が鳥居であり、神前に鶏の止り木を置いたことが起源だといわれています。

 

・外国起源説

鳥居の起源や歴史を紐解く上で、外国起源説も挙げられます。諸外国の古くからの建築物には鳥居によく似たものが多々あり、神々の世界と人間が住む世界を分け隔てる境界線の役割として似通っているものも一定数あります。

 

3.まとめ

鳥居は神域と人間の世界を分け隔てる門としての役割があり、神聖さを象徴する建造物だといえます。材質・構造は多種多様ですが、基本的には「神明鳥居」「明神鳥居」の2種類です。神明鳥居は直線的で素朴な造りであり、明神鳥居は曲線的で絢爛な装飾が施されているので、それぞれの違いはわかりやすいです。鳥居の起源・歴史は判明していることが少なく、国内起源と外国起源の2種類の説があります。起源・歴史がどちらであっても、鳥居は神様の存在を現すものとして重視されている建築物だといえるでしょう。