結婚式や七五三など神社は身近な存在といえます。ただ神道というとどういうものなのかわからないという人が多いでしょう。日本に古くからある神道はどのようなものなのか、また歴史や由緒について少し知識を持つと神社がより身近に感じられるでしょう。
日本の暮らしの中に生まれた信仰「神道」
神道は私たちの暮らしの中から生まれたといわれています。現代は病気をすればすぐに薬があり病院があり食べるものにも困ることがありませんが、昔自然の中で稲作を行い自然とともに生きていた中で、疫病が流行したり天候不良で稲作が不良となり飢饉となることもありました。その中で日本に暮らしていた人たちは自然の中に神様の働きを見出し、自然の中にあるものすべてが神々の働きによるものととらえ、それが神道につながりました。
神道には「八百万の神様」がいる
海には海の神がいて川にも山にも神様がいる、自然の中に存在するもの、自然の中で起こることは神々の起こすこと、さらに生活の中の衣食住に関してもどこにでも神様が存在している、神道では八百万の神様がいるといわれます。神様をお祀りする場所には建物がたちこれが神社となり、春には豊作を秋には収穫を神様に感謝する祭りが行われるようになりました。
神道は葬儀への考え方も儀式も違う
神道の葬儀に参列したことがある方、また神道式の葬儀を執り行った方は仏教による葬儀とは全く違うということを経験されていると思います。仏教にも考え方はいろいろありますが、お亡くなりになった方をあの世に送る儀式というイメージがあるでしょう。神道ではあの世に送るということではなく、亡くなることで神様となり家族を守ってくれる存在になると考えます。
人が亡くなるということへの考え方が違うのですから、当然葬儀に関する考え方、やり方も違います。神道の葬儀は葬儀と呼ばず葬祭式と呼びますし、儀式の内容にも違いがみられるのです。三種の神器と呼ばれる刀・鏡・勾玉を利用することも、五色旗(赤・黄色・白・紫か黒・緑か青の5つの色の旗)を利用することも神道ならではです。
神道の「葬祭式」の内容とは
神道の葬祭式では仏教の葬儀のようにお焼香がなく、玉串奉奠を行います。神道の中で尊ばれる儀式で、榊を個人に捧げる儀式となります。また神道の葬祭式では帰幽奉国(きゆうほうこく)という儀式にて神棚に向けて故人が亡くなったことを伝えます。仏教における位牌は霊璽(れいじ)と呼ばれるもので、白木で作られることが多くこれを祖霊舎という仏教における仏壇的な位置に置くことになります。
まとめ
神道も仏教も宗教ですが、神道は仏教と違う考えをもっています。日本で古くから信仰されてきた歴史と由緒ある信仰なので、神道ではない人も神道についてある程度の知識を持っておくほうがいいでしょう。